活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

そうだったよね・・・あの頃

参加を予定していたイベントに行きそびれ、

急遽、午後から時間が出来たので、読書にあてた。

 

横道世之介 (文春文庫)

横道世之介 (文春文庫)

 

通勤電車の中で読み進んでいた本、結局読了してしまった。

 

主人公世之介の学生生活が、

著者自身の経験を踏まえているならば、

私と世之介は同学年ということになる。

だから、端々に登場するその時代の物事が、

私にとっては実にリアルで、

読み進みながら、自分の学生生活と照らし合わせる作業をしていた。

何か不思議な縁・・・なのだろうか、

世之介が長崎から東京へ行った時とほぼすれ違う形で、

私は長崎入りしている・・・ 奇妙なもんだ。

 

読みながら変に反応してしまったのが、『ハートカクテル

実は、当時付き合っていたBFが、この作品の大ファンだった。

が・・・私はどうしてもこの作品の雰囲気全体がだめで、

拒否すればするほど、本を読んだりTVを観たりを強制され、

大好きな彼だったが、この点だけはどうしても受け入れられなかった・・・

そんな思い出があるのだ。

あの当時の、あの年頃の男性を惹きつける魅力があったんだろうか・・・?

でも、今考えれば、いかにもバブリーな内容だったように思う。

 

その他にも、『ねるとん』だとか、派手目のスーツだとか、

肩にかけるニットだとか、いやいや、懐かしい風景の連続だった。

そうだよなぁ・・・私達の学生時代って・・・。

でも・・・あっという間に、バブルも、私達の夢のような時間も、綺麗に弾けた・・・。

 

今は一人前の大人の振りして、でもまだ中途半端な四十代。

まだまだ頑張れる筈の年頃なのに、

体だけは前のめりで年齢を重ねていってる。

自分の事で一生懸命なのに、子供もいろんな問題を持ち帰ってくる。

学生時代は、あの時代なりに、色んな事に悩んでいたけど、

将来、そんな事が笑い飛ばせる位、もっと深刻に悩む事になるとは、

夢にも思っていなかった・・・そうだよねぇ。

 

私にも、学生時代には密に付き合った友達がいた・・・

でも今はどうなっているのやら・・・の関係の子が殆どだ。

一体どこで、何をしているのか・・・

でも、きっと向こうもそう思っているのだろう。

ふと思い出して、自分が、相手が、どんな表情を浮かべるのだろう?

ホンの一寸でも、フフッ・・・と笑ってくれたら良いのにな。

 

でも、世之介のように、いつも笑っていただろうか? 自分。

皆に笑顔を見せていただろうか? 自分。

そうやって・・・記憶の隅に残っているんだろうか? 自分。