活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

かなり前に読了しちゃいましたけど

前回ブログに書いた『砂の器』、

実はすでに読了しているのだが、更新の機会を逃してしまった。

 

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

 

 

正直に意見を一つ。

原作を読んでいて、タイトルの由来が分からなかった。

ネットで調べると、ドラマや映画を観れば…とあったが、

生憎私は映像化されたものを一つたりとも観ていない。

この原作の中から、”砂の器”を読み取ることが、私には出来なかった。

自分の力不足を痛感したわけだ。

 

今回読んでいて思ったのは、自分は推理小説を十分読んでない、ということ。

読んでいても、私立探偵ものの方が圧倒的に多く、

しかも外国作品がそのほとんどだったということ。

つまり日本の刑事ものには、あまり縁がなかった。

だからなのか、推理小説の大御所である松本清張作品を読むにあたっても、

前もって書評などを読んでいたのだろう。

どこかで、『本来の捜査方法とは異なる』云々のニュアンスを含んだものがあった。

その異なる点すら、私にはわからなかったのだから、何とも情けない。

 

人々の持つ潜在的な”差別意識”というものが、不幸な事件を生む切っ掛けになる。

誤った知識の植え付けが固定概念となり、誤った差別を生む。

この作品の背景はまさしくそのように思える。

情報化が進んだ現代でも、その過ちは繰り返される。

ただ…この作品に取り上げられている病に関しては、

同じ”タブー”という言葉を使ったとしても、ニュアンスが異なる。

時代が、情報化が、そのニュアンスを変えていった。

それゆえ、この作品は、時代の変化とともに、

映像化にあたってアレンジが加えられているらしい。

これから先、その映像化された作品を目にすることがあるかどうかは疑問だが、

あの、原作特有の暗く重い雰囲気を醸し出しているのかどうか…。

あの時代背景、貧しく、未開の、閉鎖的なものがあってこそのものだと思った。

 

推理小説なので詳しいことはやはり読むが一番。

上下巻と長編だが、すんなり読める… 

この年末年始のちょっとした合間に読むのには良い長さだと思う。

12月に入って、『年末年始は大作を』をモットーとする私が手に取ったのは、

 

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

 

 『レ・ミゼラブル』(新潮文庫)全5巻。

しかし…まだ1巻の半分も読めていない。

年末年始は悲鳴を上げそうな位忙しいのに…選択を誤ったか?

今のところの感想は…

 

『話の展開が遅すぎる』

『個々の描写があまりにも多すぎる』

 

と、自分にとっては苦手な部類に入る。

同じ大作を書いたフランスの小説家アレクサンドル・デュマのものとは大違いだ。

う~ん、これから先が思いやられる、のだ。