ちょっとした贅沢
毎日、職場と自宅の往復、
そんな生活を始めて、11年になる。
始めた当初は、その間に保育所があった。
電車を降りると小走りに買い物を済ませ、
これまた小走りで子供達のお迎えに行く。
その生活が数年続き、
次は留守番する子供達を待たせてはならぬ!と、
これまた自転車を爆走させて帰る日々が続いた。
そしてここ1年半は、習い事の剣道が週4日。
中継地点は稽古先の体育館、そこからやはり自転車を走らせる。
そんな私にも、のんびり帰宅できる日がある。
ここ最近は月曜日と、子供が塾に通う日、この2日間。
時折ここに通院が入るので、いつもという訳ではない。
しかも、油を売れば売るほど、帰宅後は忙しないことになる。
今日は月曜日。帰宅途中、乗り継ぎの駅にある書店に寄った。
中規模の書店、話題の書籍を手に入れるのには困らないサイズ。
自分が興味をもつ分野の書棚を、一つまた一つと覗いてみる。
まずは”大阪探し”のつもりで、ガイドブックの棚。
カフェ巡りの本、京都の町家巡りの本はあるが、大阪はなかなか。
次に、お気に入りの新潮文庫の棚。
う~ん、やはり売れ筋のものしか置いてない。
先日、再審開始が決まった事件を元にした佐野眞一の本を手にするが、
内容の重さにちょっと躊躇して、その場を離れた。
行った先は新書棚。平積みされている書籍をざっと眺めてみた。
平台の一番隅に、この本を見つけた。
- 作者: 北川智子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/05/17
- メディア: 単行本
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当然だが全く無縁の大学、特別得意というわけでない日本史、
しかし、何故だか手にとってみた。
日本史が海外でどう受け止められているのか、
強いて言えば、その点が気になったんだと思う。
あんまりのんびりしてられない・・・
そんな気分からこの本を手にしてレジへ向かった。
いろんなタイトルの本に出逢えて良かった。
ネットで買うのとはやはり違う。
書店でインクの匂いや、手に触れるごとに感じる紙質の違い、
そんな本に取り囲まれている、なんと言うか良い意味の圧迫感、
それがなんとも贅沢な気持ちにさせてくれる。 一言、幸せなのだ。
今日の私のちょっとした贅沢な時間、20分。
駅へ向かう足取りは、ちょっとばっかり軽かった・・・ だろうか?