ここから芋蔓式に・・・と目論む
家には未読の本が山ほどあるのに、
本の情報が入らなくなると、何故か落ち着かなくなる。
頻繁に書店に足を運んではみるものの、
なかなか気に入った、目を引く、関心のある、
そういった本とめぐり合わない。
年末年始の色んな、うん、色んなゴタゴタで、
思考回路がブツ切り状態だったところに、
普段の生活の情報すら入らなかったのだから、
ましてや趣味の・・・いや、今の時点では道楽の本の情報など、
入る隙はなかったと言っていいだろう。
少しずつ・・・
本当に、自分を取り巻く季節のごとく、
少しずつ暖かくなって、春の気配を感じるようになり、
凝り固まっていた気持ちも、何となくほぐれてきて、
止まっていた自分の指も、1枚、また1枚とページをめくるようになった。
著者に対していい表現になるかどうか分からないが、
そんな状況の自分に、静かに、優しく、辛抱強く付き合ってくれたのが、この本。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/12/24
- メディア: 文庫
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著者が読んだ本を紹介するエッセイ。
彼女の作品は唯一『博士の愛した数式』、これしか知らない。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/08/28
- メディア: 単行本
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何年前になるだろうか、家族で旅行した際、
飛行機の中で、不覚にもボロ泣きしながら読んだ本だ。
母親として同じ視線で読むことが出来たので、更に共感できたのだろう。
話が少し逸れたが、その彼女が読み、感銘を受けた、
そして作家になることを後押しした作品が数多く紹介されていた。
全部の作品を思い出す事は出来ないが、
何度も繰り返し登場した、『アンネの日記』や『中国行きのスロウ・ボート』、
これらは当然記憶に残り、これから先の読書リストに加えておく事にした。
中でも、自分の関心を引いたのが、武田百合子著の2作品。
- 作者: 武田百合子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
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- 作者: 武田百合子,野中ユリ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/08
- メディア: 文庫
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極ありきたりな日常を書く、
簡単に出来そうで出来ない、それは自分もある意味経験済みだ。
毎日のことをこうやってブログに書くことだけでも四苦八苦する。
ネタ探しに苦労する・・・面白おかしく、なんて考える。
でも淡々と過ぎ行く日々の繰り返し、その中にも、
何かキラッと光るもの、アクセントになるもの、切っ掛けとなったもの、
そういうものがあっていい筈で、それを記録しなかったら、
恐らく、一生思い出す事など出来ないんじゃないか、と思う。
本当に些細なことだ・・・ 夕べ、何を食べたっけか?とか。
言ってしまえば、ブログのお手本。
いやいや失礼なのは百も承知だ。
でも関心事は必ずしも外にあるんじゃない。
内側にも一杯あるんじゃないか・・・そう思った。
今回読んだ『博士の本棚』は、私の読書欲を刺激してくれた。
ここから芋蔓式に、新しい本と巡り合えることを期待したい。