活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

あともう少しで読了なのだ

姉との間の確執に悩みながらも、読み進んでいるポアロシリーズ。

現在開いているのは『邪悪の家』だが、

これも残すところ、後1/4となった。

今回の作品で感じるのは・・・ ”じれったい”の一言。

うら若きヒロイン・ニックの行動・言動がいちいちじれったい。

しかし、灰色の脳細胞をフル稼働させて、

ポアロが一つずつ丁寧に、問題解決へと導いていくわけだが、

やはりこれは、年の功と感じずにはいられない。

こんな後半戦に差し掛かっても、どんな展開になるのか、

先が全くわからないのが、クリスティの作品の魅力。

今のところ、起きた事件の犯人像は、まだ全くといって見えて来ていない。

 

良い探偵には良い相棒がいる。

シャーロック・ホームズにはワトソン、

そしてポアロにはヘイスティングズ

彼の堅物ぶり、おセンチぶり、お話全体のいいスパイスになっている。

彼が今回の語り手なのだが、

彼の主観があまり邪魔にならない程度に盛り込まれている点が、

クリスティの技量なのかな、と思う。

 

兎に角、この作品も残り僅か。

次に開く作品への楽しみもあるが、

今は、この事件がどんなどんでん返しで、

どんな意表をついて解決へと向かうのか実に楽しみ、なのである。

 

邪悪の家(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

邪悪の家(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)