資料の保存
職場で今日から、とある企画展が始まった。
テーマは主として”文化財の修復、保護”
東日本大震災後、被災地での活動の報告と、
修復された民俗資料や、復活した東北のお祭りのお面などが展示されている。
津波で御堂ごと流されてしまった観音像3体も修復されて展示されている。
その中に、修復作業にあたったプロジェクト参加機関の活動の様子の写真があった。
修復するのは有形・無形の文化財だけでなく、
貴重な資料を備えた家屋や、公文書館内の古文書などもある。
やはり私としてはその古文書の修復作業が気になった。
水に浸かるだけでない、その水は海水、つまり塩を含んでいる。
湿気を帯びた紙はふやけ、そしてくっつき合い、塊と化してしまう。
それを修復していく作業は、緻密さと時間と忍耐を要すると思う…。
古くから言い伝えられている事、昔の記録、これから伝えらえられるべき事実、
それらを含んだ書物たちが、少しでも元の姿に近づいて、
これから先も、『記憶をつなぐ』役割を担って生き続けてくれることを祈った。
復興は始まったばかりだと聞く。
歩みは遅くとも、人は必ず前に進んでいく。
それは阪神淡路の時に感じた。
失ったものは大きい、抱える思い出もいっぱいある。
でも、生き残った人たちは、その土地を守る使命を担っている。
亡き人たちが暮らした街を、愛した場所を、
これから生まれくる命も愛せるような街を作る使命がある。
私たちも、その場所が今も日本のどこかにあることを、
思い出さなければならない。決して、忘れてはならない。