活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

目録とりだな…やっぱり


午前中、以前ここで仕事をされていた先生がいらっしゃいました。
先生の過去の研究、収集した資料に関して、
同僚がお訊ねしたい事があったらしく・・・


で、色々と訊ねている内に、
先生も面倒くさくなったのか小言を言い始めて・・・。


データに反映させるにはある程度の数値が必要な時もあります。
しかし、反映する資料が民族・文化的なものだと、
どうしても明確な数値が出せないときがあります。
その曖昧さが、その資料に対して丁度良い、
つまり、洒落じゃないですが、いい加減さが”良い加減”という具合。


その点について、その先生ととある女性が衝突したこともあったようです。
ふいに思いだされたのか、先生、彼女に対する不平を口にされました。


その女性というのは、実はわたくしが尊敬している方でして・・・。


確かに厳しく、口は悪く、態度に横柄さがないわけではない。
しかし、その分、仕事をきっちりとこなす人だったので好きでした。
ある時期、図書室のお仕事をお手伝いして頂いたことがあるんですけど、
その手早さ、要領の良さ、的確さに感心させられたんです。


そういう人って、兎角、敵も多い・・・。


データを作る人間って、ある意味、”白か黒か”なんです。
データに反映できるか、きちんとした数値で表せるか、
曖昧なものは無きに等しい・・・ 曖昧さは時に間違いも含んでしまう。
そういう思考回路の時があります。
分かるもののみをデータとして採用して、その他は切り捨てていく・・・。
それでも捨てられぬなら、予備項目としてしまい、
データの主要項目としては扱えないランクに下げる・・・。
何でもかんでも盛り込むことはできない、
しかし、調べあげて根拠も得られるものならば、とことん拾い上げる・・・。


グレーの部分が、無いんです。
仕事をやっている内に、グレーの部分が消えていきます。
そういう白黒はっきりした性格じゃないと、続けられない気もします。


先生が発した言葉を傍らで聞きながら、
『あぁ、やっぱりあの人は目録とり、カタロガーだなぁ・・・』と思い、
心の中で微笑んでいました。
周囲がどんな言い方をしようとも、私にとっては尊敬すべき人です。
今は他の館で責任あるお仕事をされています。
分かる人にはわかる・・・ それでいいんでしょうね、きっと。


(2010年2月5日記載)