活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

昔取った杵柄


新しく立ち上げるDBの作業は、
まぁ一応、順調に進んでいます。
しかし、いつどんな注文を担当教官から突きつけられるか、
それが全く予想がつかないときてる…
しかも、自分が注文していた事をすっかり忘れてしまし、
作業が滞ったり、無駄な時間を費やしてしまったりと、
結構、悲しい結果を招く事も多いのです。


本日も、そんな不毛な議論に終始してしまうのでは…
と思った午後からの話合い…


担当教官が、図書目録の事について、
私に質問されました。
一番厄介な、業界用語で言うと『書誌の階層』について。


書籍には1つ1つ、その顔たる”タイトル”があります。
そして、それを仲間としてまとめる”シリーズ”と言うものがあります。
そのシリーズにも小さなこじんまりとしたもの、
小さな集まりを統括する大きなものと、色々あります。
その集まりに大・中・小と段階的なものが生まれる、
それを”階層”と呼ぶわけです。


しかし、この階層の考え方にきちんと規定があっても、
その規定に全てのものがきっちり当てはまるか、といえば、
決してそうではありません。
その規定からそれてしまう原因として、
まず、記載されている情報がとても曖昧な表現を用いている場合、
そして、それを扱う各カタロガーのセンスの違い、
この2つをあげることが出来ます。


つまり、同じ本を対象としても、
データが複数生まれる可能性があるということなんです。


とまぁ、余りこんな事を書いても仕方ないんですが、
要は、何故1つの本のデータが1つに纏まらないのか?
何か独特なルールがあるのか?
そのルールたるや一体どんなものなのか?
を、担当教官が尋ねてきた、と言うことなんです。


相手がカタロガー出ない場合、この説明をする事は、
はっきり言って凄く大変、というか理解して貰えないです。
どれだけこちらが熱く、丁寧に説明したとしても、
上で言った”階層”の感覚が頭の中に構築されていないと、
全く無意味な説明になりかねない。


でも最初から匙を投げても仕方がないので、
自分が持っている書籍の情報に関する知識を、
本日披露させて貰いました。
お蔭で、書籍に関してはかなり詳しい事が伝わったみたい…。
伊達に10年以上、図書目録取ってませんでしたからね。
たかが1年如きで忘れるわけはないっ!
というか、天職とまで思えた仕事ですから…。


今の部署に異動になった1年前、
図書の仕事から離れる、と思っただけで絶望的になっていました。
しかし、今こうやって、
培ってきた図書の知識が僅かであっても活かせている…
これが実に嬉しく感じた1日でした。
やってて良かったな… そう思えました。


(2010年3月23日記載)