活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

大正・昭和の暮らし


私が仕事で扱った書籍で、お気に入りのモノを1冊。


河出書房新社から出された、
『図説大正昭和くらしの博物誌』
ふくろうの本シリーズの1冊です。


日銀総裁や大蔵大臣を歴任した渋沢敬三氏、
彼が自宅の裏庭にあった物置小屋の屋根裏を使って、
世界や日本を歩き回って収集した品々を集めて作り上げた
アチック・ミューゼアム
後にこれが日本における民族学の礎となります。


その収集品の多くは、現在、
大阪・吹田にある国立民族学博物館にて所蔵されています。
その収集品のカタログ的存在なのが上記の書籍です。


生活で使われていた道具、
当時の子供達が遊んだ玩具、
沢山の草履・足半(あしなか)、
色んな顔をした達磨、
日本初の国指定重要有形民俗文化財となったおしらさま・・・


等など、今では”懐かしき日本”を伺わせる、
そんな民族・民俗資料の数々。


まだ工業文化がそれほど生活と密着していなかった頃の日本。
そんなとってもマニュアルな時代を生きた日本人の呼吸を、
それら資料を通して、感じることができる様な気がします。


何度も仕事で手にして、何度開いて見ても、
何故かホッとすることのできる資料です。
時の流れが緩やかだった時代の日本の様子を、
この本を通して垣間見てはいかがでしょうか?


(2010年2月8日記載)