活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

誰でも…出来ない

装備の仕事、つまり、
受け入れにあたって、所蔵を示す印や、
貸し出しの際に読み込むバーコード、
あと様々な”下準備”といえる作業の事だが、
これを『誰でも出来る仕事』という人がいる。


本当にそうだろうか?


現実、この仕事をアルバイトに任せている所は多い。
単なるシール貼りやスタンプ押しと思っているからだろう・・・。


結構、これは寂しい現実。


館によっては、装備担当者が補修をする事がある。
補修となると、資料の素材に関する知識がグッと増える。
現在の書籍の紙は大変上等で、ダメージも少なくて済むが、
昔の書籍は酸性紙を使っていて、
時間の経過とともに紙がバラバラに砕けてしまう。
そんな資料にめぐり合ったらどうすべきだろうか?
古書の取り扱いはどうすべきか・・・
糸での綴じ方も特殊だろうし、配架の仕方も異なるだろう。
チベットのお経が記されたペジャなどを縛る紐は?
水を含んで固まってしまったページを開くには?


こんな仕事を兼任せねばならない場合、
『これは誰でも出来る仕事』と言えるだろうか?


図書館では作業の合理化とともに、
人員削減の波が猛烈に押し寄せている。
でも、人の手でないと出来ない部分があるのだ。
相手はモニター上やシステムの中に居る無機質なものではない。
1冊の本、1個の資料なのだ…。


『誰にでも出来る仕事』という者は、実際にやってみてほしい。
この仕事だって、とても奥深いのだ…


(2009年3月26日記載)