活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

あともう少し


今ぼちぼちと読み進んでいる『日本の文章』
間もなく読了というところまで参りました。
講談社学術文庫にしては若干薄め、
しかも、大変読みやすい…って文章が実に上手い!
って私が言うのはまことにおこがましいんですけど、
ホントに読む人に分かり易い内容です。
文章の書き方、日本語のあり方、
修辞法なんて類の単語を並べただけで、
敬遠してしまう人は沢山いると思うのです。


でも、この本は難しさを感じさせない。


内容が薄っぺらいわけではありません。
凄く納得させられる、要点をついている、
思い当たるフシがある、というかフシだらけです。
日頃、自分の読解力不足を嘆きつつ、
悲鳴をあげつつ読み進む本があること…
勿論、自分がもつ能力をはるかに超えた内容のものもあります。
しかし、中には映画の起こしの小説なのに、
その映画を観ているにもかかわらず、さっぱり訳のわからんものもある。


あんまり言えた義理じゃありませんが、
やはり文章の良し悪し、翻訳者の技量云々に左右される本もあります。


そういった点を、鋭くついているのがこの『日本の文章』です。


社会科学や他の専門分野の書籍で挫折してしまった方々、
その挫折は自分ひとりの責任ではない可能性があります。
挫折感払拭のきっかけとして、この『日本の文章』、
わたくし強くお薦めいたします。


(2010年4月12日記載)