活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

テーマは良かった…けど


時々、書棚の整理をします。
溜まった埃をとって、配列を綺麗に整えています。
背のタイトルを見て、話の内容を思い出しつつ…。


感想は良かったり悪かったり。
私が感じたものだから、世間一般的な評価とは異なるものもあります。
さて…そんな1タイトルをば。


『ダヴィンチ・コード』


角川文庫の3巻ものが、私の書棚にはあります。
話題性もありましたし、周囲の薦めもあって購入しました。
触れる事をタブーとされているテーマをあえて扱っている、
その点は私も良いと思いました。


兎角、宗教や宗教を匂わせる題材を使った作品は、
自ずと、踏み込んではならぬ聖域に踏み入ってしまう事はあると思います。
題材として扱う事自体が、神への冒涜だと考える人も多いでしょう。
しかし敢えて、自らの見解を述べたりしようとするのですから、
ある程度の覚悟や、確固とした意見があると思って、
私はある意味、支持したいと思っています。


さて、上記の作品ですが、文庫版の上巻、中巻に関しては、
今書いたような理由もあって、大変惹きつけられました。
しかし、下巻でいきなりメロドラマの様な展開になって、
ほんっと、途中で投げ出したくなりました。


言ってしまえば、泥臭くない・汗臭くないインディアナ・ジョーンズ…
とここまで言ってしまうと語弊があるかもしれませんが…。
エンターテイメントに徹するか、社会派ミステリーに徹するか、
いずれかにしてほしかった…というのが読んでみての感想です。
最後の大どんでん返しは、なんか、
坂道を転げ落ちるような、そんなガッカリ感でした。


ということで、この作品を薦める際、必ず、
『下巻は読まぬように』
と付け加えています…。


(2010年3月6日記載)