活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

分類


裏方作業で最近なかなかお目にかかれないんじゃないか?
そう思う作業がある・・・分類作業。
国内ではNDC(日本十進分類法)がメインだろうが、
DDC(デューイ十進法)を使う所もないわけではない。


昔ならば、司書が1冊1冊の内容を把握して、
それに適した分類番号を調べ、時に組み合わせていた。
配架する際に必須の番号であること、
分かる人には、これで内容を把握できるある種”記号”であること、
それらゆえに、これも大事な作業であったに違いない。


が、最近は書籍の納品時に分類番号が付与されていたり、
目録データ中に記載されていたりして、
実質、書誌が手作りする機会はめっきり減ってきている。


勿論、とてもマイナーな言語だったり、
自費で出版されていたりと、流通量が少ないものに対しては、
今でも手作業で分類付与の作業は営まれていると思う。
しかし、やはり以前と比べて絶対量は減っているはずだ。


司書講座でもこの分類に割かれている時間は驚くほど少ない。
分類法の仕組みと例題を少しやって終わってしまう。
大まかな事が分かったとしても、これではほぼ・・・
”ぶっつけ本番”なのだ。
どれだけ知識を抱えて”頭でっかち”になっていても、
目の前に出てきた書籍相手に、どんな番号を振るかは、
毎回毎回、新しい勝負といっても良い位大変だ。
いつも同じ本ではない、同じ言語とも限らない、
内容は同じでも場所や時代が違っていたら、
その度に分類番号の組み合わせは変わってくる。


上記に挙げた分類法は、日本国内で知名度の高い2つだが、
各図書館によって、特色を全面に押し出したい時は、
独自の分類法を用いている所もある。
それらの組み合わせによって、
より利用者に分かり易いように、調べ易いようになっていたりする。
それら一つ一つの分類方法を学び、活用する為には、
それなりの時間を要すると私は思うのだが・・・


『こんなもん、3ヶ月でできます。』


という人も居るらしい・・・。余程オツムが良いのだろう。
確かに、分類作業だけを3ヶ月やれば上達はする。
でも、今の時代、分類だけを担当できるだけ、
人員に余裕があるのだろうか? 
皆掛け持ちでやっているというのに。
マスターすれば楽なものかもしれない、
しかしこれから学ぶ立場からすれば、
これははっきり言って無慈悲な言葉だと思う。
3ヶ月でマスターして欲しいなら、
他の仕事は、そう言った当人が受け持つが良い。


(2009年4月4日掲載)