活字好きの本のお話

図書館や大好きな本の話、読んだ本の感想など、駄文で綴ってまいります。

懐かしい…


もう20年近く前のお話になりますが、
私は某書店でお仕事をしていました。アルバイトでですが。


その当時、その街では2番手といった感じの書店でした。
繁華街ではなく、駅前にあったテナントビルの1・2階を占め、
1階は文芸書・ビジネス書・雑誌を中心に、
2階はコミック・児童書・専門書・学習参考書を取り扱っていました。
中規模な店舗ながら、店先がバス停だったり、
近くがビジネス街であったこともあり、
時間帯によってはかなり賑わう書店でした。


店員の朗らかさもよかったのですが、
中に1人、凄く詳しい女性店員さんが居て、
はっきりいって”歩く検索ツール”のような人。
聞けばたちまち探してもってきてくれる、
在庫の有無も熟知している、
新聞記事などにのっている書籍もきっちり知っている・・・
とまぁ、こんな彼女ですからお客さんからの信頼も篤く、
じきじきにご指名をうける、何て事もありました。


一緒に仕事をしていたのも勿論ですが、
共通の趣味をもっていたりしたのが功を奏して、
仕事の事だけでなく、プライベートに関しても、
色々とお話をする機会がありました。


私が将来のことなどで色々と悩んでいた時、
『司書って資格があるんだけど、結構役に立つよ』
とアドバイスをくれたのが、実は彼女。
そうです、私の図書館の仕事の門を叩く切っ掛けとなったのは、
実は彼女のこの一言だったんです。


その後私は司書の資格を取るために、その書店を辞め、
スクーリングの為単身関西へ。
彼女は新しい支店を任された後、寿退社されたそうです。
その支店は本店に統合され、
今ではその街ではかなりの規模の書店に成長しました。
店舗も5店舗までに増えているようですし、
色んな本に関する取り組みもしているみたいです。


先ほど、その書店のHPを覗いてみました。
私が知っている、あのこじんまりとした感じはありません・・・。
もう存在していないと思うと、余計に懐かしい。
みんな家族みたいに仕事していた、
あの中規模の書店が恋しくて堪らないです。


(2009年12月19日記載)