時代小説
私は時代小説というジャンルに、とんと触れた事がない。
苦手というわけではないのだが、歴史的な知識がないと、
何だか読んでいるのが小恥ずかしい感じがするのだ。
世の中、歴史に詳しい人、深く興味を持っている人はたくさんいらっしゃる。
中途半端な好奇心だけで、時代小説の世界に足を踏み入れる事には、
今も昔も躊躇する気持ちが先走るのである。
が、しかし、
亡き父は大の時代劇ファンだった。
今と比べてTVでは時代劇ドラマが数多く放映されていた。
個人的に好きだったのは、『大岡越前』『影の軍団』『桃太郎侍』。
勧善懲悪、日本人が大好きなこのフレーズ、私も然りだ。
兎に角、チャンネル権を持っていた父の好みそのまま、
私の幼少期のTV鑑賞の土台は築かれていた。
だから、躊躇する必要は全くない、その筈なのだが、
主人と巡り合ったことから、私の生活環境が激変し、
時代劇からはるか遠く遠くに離れてしまったのだ。
先日、予約録画した中に『鬼平犯科帳』があった。
若き日の香川照之氏が登場しているのだが、
久しぶりに時代劇を観て、何だかホッとした。
この番組は他の時代劇に比べて、演出がクールなのと、
火付盗賊改方という特殊な役職も然りだが、
盗賊一味の絆や関係性なんかも興味深く、
大人になっても十分楽しめる、そんな感じだ。
もし、時代小説を読むなら、まず『鬼平犯科帳』と、
意味もなく自分の中で決めている。
まだまだ手に取る勇気や自信は備わっていない。
何かちょっとした切っ掛けで、手に取る事が出来るかも。
そんな日が来ることを期待している。